泣き顔も笑顔

網膜芽細胞腫により右眼が義眼の次女、姉、妹、弟の4人の子供の母の日々の様子

網膜芽細胞腫

我が家の次女はこの病気で右眼を失いました。実はこのブログを始めたのもこんな病気が存在するんだと知ってもらうためです。

日々の生活で忘れてしまうのですが、原点に返って少し病気ついて説明させて下さい。

 

網膜芽細胞腫 (RB)とは?

網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)は小児がんの一種です。乳幼児の時期に目の網膜に腫瘍(悪性)ができ、やがて視神経から脳などに転移します。人種、性別に関係なく約1万5000人に1人の確率で発症し、日本では年間80人ほどが発症しています。

子供のがんなので進行が早い一方、腫瘍が眼球内にとどまっているうちに早期発見、治療が出来れば、10年生存率は9割以上と高いことでも知られています。

網膜に腫瘍ができると視力が低下しますが、乳幼児はまだものが見える、見えないの状態がよくわからず、その状態を伝えられないことから、発見された時には進行している場合も少なくありません。

ある程度進行すると、光が腫瘍に反射して夜のネコの眼の様に白く光って見えたり、左右の眼球の向きがあっていない状態(斜視)になったりします。

眼球を摘出すればがんの転移は防げますが、義眼になること、視力を失うことなどから最近では患者のQOL(クオリティオブライフ)向上のため、抗がん剤や外科手術、放射線治療などを組み合わせ、視力、眼球を温存する方法も主流となっています。

 

・RBの原因と後遺症

RBは患者の約3割が両眼性、約7割が片眼性です。DNAの13番染色体にある「RB1遺伝子」が欠損する事で引き起こされる事が分かっており、両眼性の患者の場合は子供に50%の確率で遺伝します(片眼性でも10〜15%の確率で遺伝するケースがあります)

5歳を過ぎると眼球内の腫瘍の再発率は下がりますが、治療によっては様々な後遺症(視力障害や義眼での生活、抗がん剤による難聴や不妊放射線照射による骨の成長阻害や二次がんなど)があります。

また疾患を発症させる「RB1遺伝子」はがん細胞の増殖を抑制する働きがあるため、その変異は将来別のがん(二次がん)の発症率を高めることも分かっています。

 

私も次女が発症するまでこの病気の存在を全く知りませんでした。そして気付いた時にはかなり進行した状態でした。もっと早くに治療していればと後悔しています。なので自分の子供や周りの子供で少しでも眼に光が見えたら迷わず眼科を受診して下さい。